株式会社プレラナ
難易度 介護・福祉現場・製造書類作成に時間がかかる

ケアプラン・モニタリング報告書のドラフト作成

訪問時のメモとサービス提供記録をAIに渡し、モニタリング報告書とケアプラン変更案の下書きを作ります。利用者の意向確認と原案の決定は、介護支援専門員が行います。

介護・福祉の現場で、ケアプラン・モニタリング報告書のドラフト作成に取り組んでいる様子
対象部署
居宅介護支援事業所(介護支援専門員)
使う技術
ChatGPT または Claude によるメモから報告書形式への整形 / スマートフォンの音声メモ(訪問直後の口述メモ) / Googleスプレッドシートによる訪問記録の一元管理 / 既存の介護ソフト(第1表から第3表、モニタリング表の様式を持つもの) / 施設・事業所の記載ルール表(書き方の統一のためプロンプトに毎回添付)
必要な入力データ
月内の訪問記録メモ(.csv・訪問日、方法、同席者、聞き取った内容) / 利用者の基本情報とアセスメント要約(.txt・氏名は記号化して保管) / 現在のケアプラン第2表の内容(長期目標、短期目標、サービス内容、頻度) / サービス事業者からの報告(訪問介護の実施報告、通所介護の連絡票の要点) / 事業所の記載ルール表(.csv・使う語と避ける語、必須記載項目)

Before / After

人がやる場合と、AIを使った場合

効果だけを並べても判断できません。まず「今どうやっているか」を具体的に書きます。タブを切り替えて読み比べてください。

訪問のたびに手元のノートへメモを書きます。書く量は訪問によってばらつき、走り書きのまま数週間置かれます。月末になってからノートを開き、記憶をたどりながらモニタリング表へ書き起こします。短期目標の達成状況をどう書くか迷い、前月の報告書を開いて表現を写します。サービス事業者からの報告はメールとファクスに分かれており、探すところから始まります。ここまでで1件あたり30分から2時間かかります。書ける職員と書けない職員の差が大きく、担当件数の偏りがそのまま残業の偏りになります。ケアプランの変更が必要な場合は、さらに第1表から第3表の書き直しが加わります。

人がやる場合とAIを使った場合を、軸ごとに並べた表です。
比較する軸人がやる場合AIを使った場合
所要時間1件あたり30分〜2時間かかり、担当者の慣れによる差が大きい状態です。訪問直後の口述メモが1件3〜5分、月末の下書き生成が2〜3分、確認と加筆が1件10〜20分です(自社での実測が必要です)。
関わる人数介護支援専門員1名です。ただし書き方に迷ったときは管理者へ相談し、月末は管理者が複数件を手直ししています。介護支援専門員1名です。管理者は記載ルールの整備と抜き取り確認だけを担当します。
起きるミス訪問メモの書き漏れ、前月の文面の写し間違い、短期目標と評価の対応のずれ、必須記載項目の抜けが起きます。AIが訪問記録に無い状況を推測で書く、前月と同じ表現を機械的に繰り返す、事業者報告の要点を取り違える、といった誤りが起きます。
必要なスキル報告書の書き方の慣れと、記憶から状況を再構成する力が要ります。訪問直後に決めた項目で口述する習慣と、下書きの記述が訪問の事実と合っているかを照合する力が要ります。

効果の見込み

モニタリング報告書の作成時間について、公的機関が公表した全国的な削減率の統計は確認できていません。事業所ごとに担当件数と記載の詳しさが異なるため、他社の数値をそのまま当てはめることは避けてください。自社では、同じ担当者が同じ利用者の報告書を書く時間を、導入前に3件分計測しておくことをおすすめします(要実測)。あわせて、書ける職員と書けない職員の所要時間の差が縮まったかも見ると、属人化の解消を測れます。

Steps

実際にやること

読んだ方がそのまま試せる粒度で書いています。出し惜しみはしません。各手順の説明とプロンプト例は「くわしく見る」を開くと読めます。

  1. 01

    訪問直後に口述する5項目を決める

    くわしく見る

    記憶が新しいうちに残す仕組みを先に作ります。口述する項目は、心身の状況、生活の状況、サービスの実施状況、本人と家族の発言、気づきの5つに固定します。発言は要約せず、聞いた言葉のまま吹き込みます。要約してしまうと、後で意向を反映するときの根拠が失われます。この5項目を車の中で吹き込む運用にすると、事業所へ戻ってから書き起こす必要がなくなります。

  2. 02

    訪問記録を1つの表にまとめる

    くわしく見る

    ノートではなくスプレッドシートに集約します。列は「利用者記号/訪問日/訪問方法(居宅訪問・テレビ電話・電話)/同席者/短期目標ID/聞き取った内容/サービス実施状況/本人の発言/家族の発言/気づき」です。短期目標IDの列を持たせるのが要点です。この列があることで、月末に目標ごとの評価を組み立てられます。列が無いと、AIはどの発言がどの目標の根拠かを判断できません。

  3. 03

    事業所の記載ルール表を作る

    くわしく見る

    書き方の差は、ルールが言語化されていないことから生まれます。「使う語と避ける語」「必須記載項目」「1項目あたりの目安字数」の3種類を表にします。たとえば「困難」ではなく「〜の場面で介助を要する」と具体的に書く、といったルールです。管理者が過去の報告書を10件読み、繰り返し直している箇所を書き出すところから始めます。20〜30行あれば実用になります。

  4. 04

    モニタリング報告書の下書きを作らせる

    くわしく見る

    訪問記録、記載ルール表、現在のケアプラン第2表の3つをまとめてAIに渡します。短期目標ごとに、達成状況と根拠を対応させた形で出させるのが要点です。根拠を必ず引用させることで、確認の作業が「事実と合っているか」の照合だけになります。

    プロンプト例

    あなたは居宅介護支援事業所の書類作成を補助します。以下の【記載ルール】【現在の第2表】【今月の訪問記録】をもとに、モニタリング報告書の下書きを作ってください。
    
    出力形式:短期目標ごとに次の項目を並べた表
    短期目標ID / 短期目標の内容 / 実施状況 / 達成状況の記述案 / 根拠となる記録(訪問日と原文の引用) / 判断が必要な点
    
    条件:
    - 訪問記録に無い状況は絶対に書かないでください。根拠が無い項目は達成状況の記述案を空欄にし、判断が必要な点に「根拠となる記録なし」と書いてください
    - 本人と家族の発言は要約せず、原文のまま引用してください
    - 達成・未達成の判定はしないでください。事実の記述と、判断が分かれる点の指摘までにとどめてください
    - 記載ルール表で避ける語に指定された表現は使わないでください
    - プラン変更の要否については、変更を検討すべき事実がある場合のみ、その事実を判断が必要な点に列挙してください
    
    【記載ルール】
    (記載ルール表をコピーして貼り付け)
    
    【現在の第2表】
    (短期目標ID付きで貼り付け)
    
    【今月の訪問記録】
    (訪問記録の表をコピーして貼り付け)
  5. 05

    判断が必要な点だけを人が埋める

    くわしく見る

    下書きの「判断が必要な点」の列だけを上から見ていきます。ここに集まるのは、根拠が足りない項目と、変更を検討すべき事実です。達成状況の評価、目標の見直し、サービス内容の変更提案は、この列を見ながら介護支援専門員が書きます。埋めた内容は、記載ルール表に反映できるものがあれば追記します。3か月ほど繰り返すと、判断が必要な点の件数が減ります。

  6. 06

    ケアプランを変更する場合の下書きを別に作る

    くわしく見る

    モニタリングの結果、計画変更が必要と判断した場合のみ、第2表の変更案をAIに作らせます。変更前と変更後を並べた形で出させ、変更理由を必ず書かせます。ここでもAIが作るのは案までです。原案の作成、利用者と家族への説明、同意の取得、サービス担当者会議の開催は、介護支援専門員が行います。

    プロンプト例

    以下の【現在の第2表】と【変更が必要と判断した事実】をもとに、第2表の変更案を作ってください。
    
    出力列:短期目標ID / 項目(長期目標・短期目標・サービス内容・頻度・期間) / 変更前 / 変更後の案 / 変更理由(根拠となる記録を引用)
    
    条件:
    - 変更が必要と判断した事実に対応しない項目は、変更後の案を「変更なし」としてください
    - 期間の設定は提案せず、「介護支援専門員が設定」と書いてください
    - 新しいサービス種別の追加を提案する場合は、必ず「担当者会議での協議が必要」と付記してください
    
    【現在の第2表】
    (貼り付け)
    
    【変更が必要と判断した事実】
    (モニタリング下書きの判断が必要な点から、該当するものを貼り付け)

Sample Data

この事例で使うサンプルデータ

実際に手を動かして試せるよう、サンプルを用意しています。すべて架空のデータです。お客様の実データは一切使用していません。

一式をまとめた形は、業界別レポートに同梱してお渡ししています。

Pitfalls

つまずきやすい点

精度が出ないときにどこを見るか。ここが分かるかどうかで、定着するかが決まります。見出しを開くと、確かめる箇所が読めます。

前月の報告書をAIに読ませて似た文章を作らせてしまう
前月の報告書を参考として渡すと、AIは今月の記録より前月の表現に引きずられます。結果として、状況が変わっているのに同じ文面が続く報告書ができます。運営指導で指摘を受けやすいのはこの形です。参考にするのは記載ルール表だけにして、内容は必ずその月の訪問記録から組み立てさせてください。
根拠が無い項目に、それらしい記述が入る
訪問記録に書かれていない目標について、AIは一般的な経過を書いて埋めようとします。プロンプトで「根拠が無い項目は空欄」と明示し、根拠となる記録の引用を必須にしてください。空欄が出ることは失敗ではありません。その月に確認できていない項目が見えたということで、次回訪問の確認事項になります。
モニタリングの実施方法に関する要件を確認しないまま運用を変える
居宅介護支援では、令和6年度の報酬改定でテレビ電話装置等を活用したモニタリングが一定の要件のもとで認められました。ただし利用者の同意、状態の安定、他のサービス事業者との連携による情報収集といった条件があり、少なくとも2か月に1回は居宅を訪問する必要があります。訪問方法を変える場合は、AIの活用とは別の論点として、管轄の指定権者へ最新の取り扱いを確認してください。
利用者と家族の発言を要約させてしまう
発言を要約すると、意向を反映した根拠が失われます。「週1回でいいです」という言葉と「入浴頻度の軽減希望」という要約では、後から読んだときの重みが変わります。プロンプトで原文引用を必須にし、要約は人が判断の場面で行ってください。訪問直後の口述メモでも、発言部分だけは言葉のまま吹き込む約束にします。

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