株式会社プレラナ
難易度 建設・住宅・リフォーム現場・製造書類作成に時間がかかる

現場写真の自動分類と工事報告書・日報作成

撮った写真をAIに読ませて工種の候補とコメント案を出し、日報は音声で吹き込んで自社様式に整えます。

建設・住宅・リフォームの現場で、現場写真の自動分類と工事報告書・日報作成に取り組んでいる様子
対象部署
工事部・現場監督
使う技術
マルチモーダルLLMの画像読取(ChatGPT / Gemini / Claude) / スマートフォンの音声入力(iOS標準入力 / Googleドキュメント音声入力) / Googleドライブ(当日フォルダでの保管。写真を自動で処理する連携ではありません) / Googleスプレッドシート(分類表と台帳コメントの管理)
必要な入力データ
スマートフォンで撮影した現場写真(電子小黒板の写り込みあり) / 自社の工種分類ツリー(工種・部位・細目の語彙一覧) / 当日の作業内容メモ(音声または箇条書き) / 前月に提出して通った工事報告書と日報の様式

Before / After

人がやる場合と、AIを使った場合

効果だけを並べても判断できません。まず「今どうやっているか」を具体的に書きます。タブを切り替えて読み比べてください。

現場監督が1日に80枚から150枚の写真を撮ります。事務所に戻ってからPCへ取り込み、ファイル名を工種と場所に手で打ち直します。工種フォルダへ振り分け、写真台帳ソフトに貼り、コメントを1枚ずつ入力します。日報はExcelに手入力し、翌朝に事務担当が現場ごとに集計します。撮り忘れの発覚、黒板の記載と分類のずれ、別現場の写真の混入が起きています。

人がやる場合とAIを使った場合を、軸ごとに並べた表です。
比較する軸人がやる場合AIを使った場合
所要時間写真整理に40〜60分、日報の記入に20分、翌朝の事務集計に20分かかります(想定値です。導入前1週間の実測に置き換えてください)。AIへの投入と出力確認に20〜30分(1日100枚を4回に分けて投入した場合)、日報の音声入力と手直しに5分かかります(自社での実測が必要です)。
関わる人数現場監督1名と、翌朝に集計する事務担当1名が関わります。現場監督1名だけで、当日中に終わります。
起きるミス工種フォルダの入れ間違い、別現場の写真の混入、日報の書き写し漏れが起きます。AIが自信を持って工種を誤り、要確認の印が付かないまま残ることがあります。音声入力による固有名詞の誤変換も残ります。
必要なスキル写真台帳ソフトの操作と工種の知識、Excelの入力が要ります。分類ツリーの読み方と、AIの誤りを見抜く工種の知識が要ります。

効果の見込み

工事写真の自動分類は2026年時点で実用段階にあり、約1,500種類の仕分けパターンを持つ製品や、生成AIで工種分類を提案する製品が登場しています(建設DX系の業界メディア BuildApp News・建設ITブログの記事による)。ただし削減時間は現場規模と1日の撮影枚数で大きく変わります。自社の効果は要実測です。導入前1週間の「写真整理に使った実時間」を先に測り、同じ物差しで比較してください。

Steps

実際にやること

読んだ方がそのまま試せる粒度で書いています。出し惜しみはしません。各手順の説明とプロンプト例は「くわしく見る」を開くと読めます。

  1. 01

    撮影ルールをA4一枚に決める

    くわしく見る

    黒板に必ず入れる項目、1箇所につき全景・近景・寸法の3枚、ファイル名はカメラの連番のまま触らない、の3点を決めます。ファイル名を手で直す運用をやめることが、この事例の前提です。ただし公共工事の電子納品では、国土交通省のデジタル写真管理情報基準(令和5年3月)で写真ファイル名をPと数字7桁(例 P0000001.JPG)に付け替える規則があります。連番のまま運用できるのは民間工事に限ります。

  2. 02

    当日フォルダに一括アップする

    くわしく見る

    Googleドライブに「現場名/年月日」のフォルダを作り、撮影分をまとめて入れます。電波の届かない現場では撮影のみ行い、事務所に戻ってから同期します。

  3. 03

    AIに分類表を作らせる

    くわしく見る

    ChatGPTまたはGeminiに写真20〜30枚と工種分類ツリーを添付し、表形式で出力させます。1日100枚なら4回に分けて投入します。出力はスプレッドシートに貼れるよう、タブ区切りかCSVで指定します。

    プロンプト例

    あなたは建築工事の写真台帳を作る担当者です。添付した写真について、次の列を持つ表をCSVで作ってください。
    列: ファイル名 / 黒板に書かれている文字(読めたとおりに。読めない字は□)/ 工種候補(別紙の分類ツリーにある語のみ使用)/ 部位候補(通り芯・階・部位の表記で書く。読み取れなければ空欄)/ 撮影意図(全景・近景・寸法・是正後 のいずれか)/ 台帳コメント案(30字以内)/ 要確認(自信がない場合に「要確認」と記入)
    ルール: 分類ツリーにない語を新しく作らないでください。黒板が写っていない写真は工種候補を空欄にし、要確認としてください。写真から読み取れない情報を補わないでください。
  4. 04

    誤り率を測ってから、見る範囲を狭める

    くわしく見る

    導入から2〜4週間は全件を開いて工種を確認し、AIが外した件数を数えます。誤り率を測ったうえで抜き取りに移すのが時間短縮の要です。許容できる誤り率に収まったら、要確認列にフィルタをかけた写真を中心に見る運用へ切り替えます。確定後の表を写真台帳ソフトへ取り込みます。確定した分類表(ファイル名・工種・部位・現場名)をスプレッドシートに貯めておくと、翌年以降に「似た納まり」を語で検索できるようになります。

  5. 05

    日報を音声から整形する

    くわしく見る

    帰りの車内でスマートフォンの音声入力を使い、思いつくまま話した内容をテキストにします。そのテキストをAIに渡し、自社の日報様式に整えます。

    プロンプト例

    以下は現場監督の音声メモの書き起こしです。当社の日報様式に整形してください。
    様式の項目: 現場名 / 天候 / 稼働人数(協力会社ごと)/ 本日の作業(3〜5行)/ 明日の予定 / 安全指摘事項 / 資材搬入 / 特記事項
    ルール: 書き起こしに出てこない数字や会社名を補わないでください。情報がない項目には「記載なし」と書いてください。体言止めを使わず、です・ます調で書いてください。
    書き起こし: 「(ここに貼り付け)」
  6. 06

    毎週20枚を抜き取り、誤り率を数える

    くわしく見る

    毎週ランダムに20枚を選び、要確認が付いていないのに工種を外していた件数を数えます。要確認列だけを見る運用では、AIが自信を持って誤った写真は見つかりません。外れた原因の多くは、分類ツリーに現場で使う言い方が載っていないことです。ツリーの別名列に追記して次週に反映します。

Sample Data

この事例で使うサンプルデータ

実際に手を動かして試せるよう、サンプルを用意しています。すべて架空のデータです。お客様の実データは一切使用していません。

一式をまとめた形は、業界別レポートに同梱してお渡ししています。

Pitfalls

つまずきやすい点

精度が出ないときにどこを見るか。ここが分かるかどうかで、定着するかが決まります。見出しを開くと、確かめる箇所が読めます。

黒板が写っていないと精度が落ちる
AIは黒板の文字を最も強い手がかりにします。黒板なしの写真は工種候補が空欄になり、要確認が増えます。精度が出ないときは、まず黒板なし写真の比率を数えてください。半分を超えるなら、AIではなく撮影ルールを直すのが先です。
AIは間違いを自信を持って出す
AIは誤った工種名も、正しい答えと同じ調子で書きます。要確認の印はAIが迷ったときにしか付かないため、自信を持って外した写真は印なしで通過します。導入初期の全件確認と、毎週20枚の抜き取りで誤り率を数え、その数字を根拠に確認の範囲を決めてください。抜き取りをやめた時点で、誤りは見えなくなります。
AIが分類ツリーにない語を作る
「はい筋」「ねぎり」のような現場語がツリーにないと、AIが勝手な工種名を書きます。出力に見慣れない語が出たら、AIの誤りではなくツリーの語彙不足を疑ってください。別名列に追記すれば次から収まります。
人物が写った写真の扱い
作業員の顔が写った写真が台帳に混ざることがあります。要確認列とは別に「人物写り込み」の目視チェックを提出前に入れます。社外提出物に個人が特定できる写真を含めるかは、社内で先に決めておきます。

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次は事例4(安全書類・施工計画書の作成支援)を読んでください。どちらも「元請の様式と語彙に合わせる」という同じ構造です。写真台帳の工種名と施工計画書の工種名を先に統一しておくと、両方の精度が同時に上がります。

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この事例を含む5つの活用事例と、サンプルデータをまとめた資料です。社内での共有にお使いいただけます。