リフォーム完成イメージのAI生成による提案
現地写真をそのまま使い、変更したい部分だけを指示して完成イメージを3案作り、商談の場で方向を決めます。

- 対象部署
- リフォーム営業部・ショールーム
- 使う技術
- 画像生成AI(Google Gemini の画像編集 / ChatGPT の画像生成) / プロンプトによる変更範囲の限定指示 / Googleスライドまたは Canva(提案書への差し込み) / Googleスプレッドシート(採用建材の品番一覧)
- 必要な入力データ
- 現地写真(部屋の四隅から水平に構えて各1枚) / 採用候補の建材・設備の品番、色名、メーカー公開画像 / お客様のご要望メモ(ヒアリングシート) / 自社の提案書テンプレート(注記の固定文入り)
Before / After
人がやる場合と、AIを使った場合
効果だけを並べても判断できません。まず「今どうやっているか」を具体的に書きます。タブを切り替えて読み比べてください。
営業担当が現調でスマートフォン写真を撮り、帰社して提案書を作ります。カタログの切り抜きとメーカーの施工例画像を貼りますが、他人の家の写真です。お客様は自宅がどう変わるかを想像するしかなく、判断が止まります。方向が決まらない案件はパースを外注しますが、時間と費用がかかります。結果として商談が2回3回と延び、契約後に「思っていた雰囲気と違う」という指摘も出ます。
現調で撮った自宅の写真をそのまま使い、変更部分だけを指示して完成イメージを作ります。無難な案、お客様のご要望に寄せた案、こちらから提案したい案の3案を用意します。翌日の商談で3案を並べ、お客様の反応から方向を決めます。方向が固まった1案だけ、正式なパースや現物サンプルに進みます。人が判断するのは、生成画像はイメージであると必ず説明すること、構造上できない要望の切り分け、実際の建材の色と質感の確認、見積金額との整合です。
| 比較する軸 | 人がやる場合 | AIを使った場合 |
|---|---|---|
| 所要時間 | 提案書の作成に2〜3時間かかり、パースを外注すると1〜2週間かかります(想定値です。導入前1週間の実測に置き換えてください)。 | 3案の生成と検品、提案書への差し込みに60〜90分かかります(作り直しを2〜3回見込んだ数字です。自社での実測が必要です)。 |
| 関わる人数 | 営業担当1名に加えて、社内の作図担当または外注のパース会社1社が関わります。 | 営業担当1名で完結します。正式なパースは、方向が固まった1案だけを外注します。 |
| 起きるミス | 他人の家の施工例では伝わらず、契約後に認識のずれが出ます。 | 生成画像が窓や梁を勝手に変えることがあり、画面の色と実際の建材の色も違います。 |
| 必要なスキル | 作図ソフトの操作、または外注への指示書の作成が要ります。 | 変更点を言葉で限定する書き方と、元写真との差異を見比べる目が要ります。 |
効果の見込み
住宅リフォーム分野では、従来1〜2週間かかり1案あたり十数万円だった初回パース制作を即日化したとするサービスが登場しています(業界メディア BuildApp News の記事。数値はサービス提供事業者の公表値です)。自社での効果は「初回提案までの日数」「外注パース費」「商談回数」で測れます。いずれも要実測です。生成にかかる時間そのものより、商談が1回減るかどうかが効果の中心になります。
Steps
実際にやること
読んだ方がそのまま試せる粒度で書いています。出し惜しみはしません。各手順の説明とプロンプト例は「くわしく見る」を開くと読めます。
- 01
撮影の型を決める
くわしく見る
部屋の四隅から水平に構えて各1枚、明るい時間帯に撮ります。家財が写り込んでいて構いません。斜めや極端な広角は、生成時に部屋の形が崩れる原因になります。天井と床が両方入る高さで撮るのが基本です。
- 02
変更したい部分だけを指示する
くわしく見る
生成AIに現地写真を1枚アップし、変えたい要素を箇条書きで指定します。変えてはいけないものを明記するのが最大の要点です。
プロンプト例
添付は既存住宅の和室を撮影した写真です。この写真の構図、窓の位置と大きさ、柱と梁の位置を変えずに、次の変更だけを施した完成イメージを作ってください。 ・畳をオーク色の木目フローリングに変更 ・壁と天井を白の塗り壁調に変更 ・押入れを白い建具の収納に変更 禁止事項: 部屋の広さや天井高を変えないでください。窓を増やしたり位置を動かしたりしないでください。家具や観葉植物を勝手に追加しないでください。メーカーのロゴ、商品名、文字を画像内に描かないでください(実在・架空を問わず)。
- 03
3案を作り分ける
くわしく見る
1案目は既存の雰囲気を残した無難な案、2案目はお客様のご要望をそのまま反映した案、3案目は自社が勧めたい建材を使った案にします。3案の違いを言葉で1行ずつ書き添えます。案が多すぎると決まらないため、3案を上限にします。1案あたり2〜3回の作り直しが前提です。1案目で窓や梁が保たれることを期待せず、検品して落ちたら作り直す時間を最初から見込んでください。
- 04
注記を必ず入れる
くわしく見る
画像の下に「イメージ図です。実際の色柄、寸法、納まりは現物と異なります」と入れます。提案書テンプレートに固定文として組み込み、消せないようにします。口頭でも同じ内容を説明します。
- 05
品番一覧と並べて提案する
くわしく見る
各案に対応する建材の品番、色名、メーカー名をスプレッドシートで一覧にし、画像の隣に並べます。画像だけでは仕様が確定しないためです。ショールームで見るべき現物サンプルもここに書き添えます。
- 06
選ばれた案と実際の採用建材を記録する
くわしく見る
商談後、どの案が選ばれ、最終的に何を採用したかを記録します。次回の指示文で使う語(オーク色、塗り壁調など)が磨かれていきます。半年ほど貯めると、自社の売れ筋に合った指示文が固まります。
Sample Data
この事例で使うサンプルデータ
実際に手を動かして試せるよう、サンプルを用意しています。すべて架空のデータです。お客様の実データは一切使用していません。
一式をまとめた形は、業界別レポートに同梱してお渡ししています。
Pitfalls
つまずきやすい点
精度が出ないときにどこを見るか。ここが分かるかどうかで、定着するかが決まります。見出しを開くと、確かめる箇所が読めます。
生成画像が窓や梁を勝手に変える
画面の色と実際の建材の色が違う
生成画像を契約書類に添付しない
精度が出ないときに見る場所
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次は事例2(現地調査メモ・写真からの見積項目リストアップ)を読んでください。イメージで方向が決まった直後に、その内容を見積項目へ落とす流れになります。同じ現地写真を両方で使い回せるため、撮影ルールを共通にしておくと手戻りが減ります。
建設・住宅・リフォームのAI活用レポートをお送りします
この事例を含む5つの活用事例と、サンプルデータをまとめた資料です。社内での共有にお使いいただけます。
