株式会社プレラナ
難易度 士業(社労士・税理士)顧客対応書類作成に時間がかかる

顧問先ヒアリングの文字起こしから議事録とタスクを作る

面談の録音を文字起こしし、議事録と、期限・担当者付きのタスク一覧を同時に生成します。事務所側と顧問先側の宿題を分けて出します。

士業(社労士・税理士)の現場で、顧問先ヒアリングの文字起こしから議事録とタスクを作るに取り組んでいる様子
対象部署
顧問担当(社労士・税理士)
使う技術
Google Meet または Zoom の録画・文字起こし機能 / ChatGPT または Claude(議事録とタスク一覧の生成) / Googleスプレッドシートでのタスク管理 / Googleドキュメントでの議事録の共有
必要な入力データ
面談の録音または文字起こしテキスト / 面談の議題メモ(事前に用意したもの) / 前回の議事録と、そこで出たタスクの一覧 / 顧問先の担当者名と役割の一覧

Before / After

人がやる場合と、AIを使った場合

効果だけを並べても判断できません。まず「今どうやっているか」を具体的に書きます。タブを切り替えて読み比べてください。

顧問先を訪問し、90分の面談をします。担当者はノートに手書きでメモを取ります。事務所に戻り、メモを見ながらWordで議事録を作ります。メモの走り書きが読めない箇所は、記憶で補います。60分から90分かかります。議事録ができたら、その中から宿題を拾い出します。「就業規則を確認します」「賃金台帳を送ってもらいます」といった約束が、本文に散らばっています。拾い漏れると、次の面談で「あの件はどうなりましたか」と聞かれます。タスクの期限は議事録に書かれていないことが多く、担当者の記憶に残ります。訪問が続く週は議事録の作成が後回しになり、3日から1週間遅れます。

人がやる場合とAIを使った場合を、軸ごとに並べた表です。
比較する軸人がやる場合AIを使った場合
所要時間90分の面談1件につき、議事録の作成に60〜90分かかります。訪問が続く週は、送付が3日〜1週間遅れます。文字起こしの生成が5〜10分、議事録とタスクの生成が3分、人による編集と確認が20〜30分です(自社での実測が必要です)。
関わる人数顧問担当1名です。同席者がいる場合は、メモの内容を突き合わせます。顧問担当1名です。同席者は文字起こしを参照できるため、突き合わせは要りません。
起きるミス手書きメモの判読ミス、宿題の拾い漏れ、期限の記憶違い、議事録の送付遅れが起きます。AIが会話にない約束を作ってしまうことがあります。ほかに、固有名詞や金額の聞き取り誤り、話者の取り違えも起きます。
必要なスキル面談中に要点をメモする力と、記憶で補って文章にする力が要ります。議事録に残す範囲を線引きする判断力と、AIが引用した発言と実際の会話を照合する目が要ります。

効果の見込み

議事録の作成時間は、面談の長さと、議事録に求める詳しさで変わります。逐語に近い議事録を作っている事務所と、決定事項のみを残す事務所では、そもそもの作業量が違います。導入前に、直近の面談5件について「議事録の作成にかけた時間」と「面談日から送付までの日数」の2つを記録してください。この2つ目が、顧問先から見えている変化です(要実測)。

Steps

実際にやること

読んだ方がそのまま試せる粒度で書いています。出し惜しみはしません。各手順の説明とプロンプト例は「くわしく見る」を開くと読めます。

  1. 01

    面談の録画と文字起こしについて、顧問先の了解を得る

    くわしく見る

    最初の工程は技術ではなく段取りです。面談の冒頭で、記録の目的と、記録の保管期間を伝えて了解を得ます。了解が得られない顧問先もあります。その場合は従来どおり手書きメモで進めます。了解を得た顧問先については、その旨を顧問先の管理台帳に記録し、担当者が変わっても分かるようにします。この確認を飛ばすと、後で信頼を損ないます。

  2. 02

    議題メモを事前に用意し、文字起こしと一緒に渡す

    くわしく見る

    議題メモがあると、議事録の構成が安定します。メモは箇条書きで5〜8行あれば十分です。前回の議事録で出たタスクの一覧も一緒に渡します。前回の宿題が今回どうなったかを、AIに突き合わせさせるためです。この突き合わせがあると、積み残しが見えるようになります。

  3. 03

    議事録とタスク一覧を1回の指示で出させる

    くわしく見る

    議事録を作ってからタスクを抜き出す2段階にすると、議事録に書かれなかった約束が落ちます。文字起こしから直接、両方を出させます。根拠となる発言の引用を必ず含めさせてください。

    プロンプト例

    あなたは社会保険労務士事務所の顧問担当です。以下の【文字起こし】【議題メモ】【前回のタスク一覧】をもとに、2つを出力してください。
    
    出力1:議事録
    形式は次のとおりです。
    - 日時/出席者/議題(議題メモの項目順に並べる)
    - 議題ごとに「話した内容」を3〜6行でまとめる
    - 決まったこと、決まらなかったことを分けて書く
    
    出力2:タスク一覧(表形式)
    列は「内容 / 担当(事務所側・顧問先側のいずれか)/ 期限 / 根拠となる発言の引用」の4列。
    
    条件:
    - タスクは、文字起こしの中で実際に約束された内容のみを書いてください。推測で補わないでください
    - 各タスクには、根拠となる発言を文字起こしからそのまま引用してください
    - 期限が会話で決まっていない場合は、期限の列を「未定」とし、推測で日付を入れないでください
    - 前回のタスク一覧の各項目について、今回の会話で進捗が語られたかを確認し、語られていれば議事録に反映してください
    - 聞き取りが不明瞭で判断できない箇所は「(聞き取り不明)」と書いてください
    - 文体は「です・ます」、1文は60字以内にしてください
    
    【文字起こし】
    (貼り付け)
    
    【議題メモ】
    (貼り付け)
    
    【前回のタスク一覧】
    (貼り付け)
  4. 04

    固有名詞と数値を、文字起こしと照合する

    くわしく見る

    文字起こしは、社名、人名、制度名、金額を誤変換します。議事録に載る数値は特に重要です。金額、人数、日付の3種類については、文字起こしの該当箇所を開いて必ず確認してください。制度名の誤変換も起きます。誤りを見つけたら、その語を単語登録するか、次回以降のプロンプトに正しい表記の一覧を添えると精度が上がります。

  5. 05

    議事録に残す範囲を判断し、期限を確定させる

    くわしく見る

    面談では、社内の人間関係や個人の評価に関わる会話も出ます。顧問先に共有する議事録に残すかどうかは、顧問担当が決めます。残さないと決めた内容は、事務所内の記録にのみ残すか、記録しないかを決めます。あわせて、期限が「未定」のタスクについて期限を入れます。決められない項目は、顧問先に確認する項目として別に立てます。

  6. 06

    タスク一覧を管理表に転記し、期限前に確認する

    くわしく見る

    タスク一覧をスプレッドシートの管理表に追加します。列は「顧問先/内容/担当/期限/状態/完了日」の6列です。事務所側のタスクは、期限の3営業日前に確認する運用にします。顧問先側のタスクは、期限が過ぎたら1回連絡します。この管理表があると、次回の面談で前回の宿題をそのまま渡せます。

Sample Data

この事例で使うサンプルデータ

実際に手を動かして試せるよう、サンプルを用意しています。すべて架空のデータです。お客様の実データは一切使用していません。

一式をまとめた形は、業界別レポートに同梱してお渡ししています。

Pitfalls

つまずきやすい点

精度が出ないときにどこを見るか。ここが分かるかどうかで、定着するかが決まります。見出しを開くと、確かめる箇所が読めます。

AIが会話にない約束をタスクとして作ってしまう
「検討しましょう」という発言から「検討する」というタスクを作り、期限まで付けてしまうことがあります。顧問先に送ってから「そんな約束はしていない」となると、信頼に関わります。タスクごとに根拠となる発言の引用を必ず出させ、引用がない行は削除してください。引用が会話の文脈と合っているかも、送付前に確認します。
固有名詞と金額の誤変換が、そのまま議事録に載る
文字起こしは、社名、人名、制度名、金額を高い頻度で誤変換します。金額の桁が変わることもあります。議事録に載る数値は、必ず文字起こしの該当箇所を開いて確認してください。よく使う制度名や顧問先の担当者名は一覧にしておき、プロンプトに正しい表記として添えると、誤変換が減ります。
議事録に残すべきでない会話まで含めてしまう
面談では、特定の従業員の勤務態度や、社内の人間関係に関する話が出ます。文字起こしをそのまま要約させると、そうした内容も議事録に入ります。顧問先に共有する議事録の範囲は、必ず顧問担当が判断してください。判断の基準を事務所で決めておくと、担当者による差がなくなります。基準は「顧問先の複数名が読む前提で書く」と定めると分かりやすくなります。
録画の了解を取らずに録音してしまう
面談の録音は、相手の了解を得てから行ってください。冒頭で目的と保管期間を伝えます。了解が得られない場合は、従来どおりの方法で進めます。了解の有無は顧問先の管理台帳に記録し、担当者が変わっても分かるようにしてください。あわせて、録音データの保管場所と保管期間も、事務所のルールとして決めておいてください。

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次は「顧問先からの労務相談への回答ドラフト作成」を読んでください。面談で受けた相談は、メールの相談と同じく事務所の知見です。議事録から論点と回答を抜き出し、回答ナレッジ表に追記する流れを作ると、面談の内容が次の相談対応に生きてきます。

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この事例を含む5つの活用事例と、サンプルデータをまとめた資料です。社内での共有にお使いいただけます。